東京都調布市内を走行していた京王線の特急電車内にいた乗客17人が重軽傷を負った事件。突然の凶行に電車内はパニック状態になった。多くの乗客は上半分が開いた電車の窓から必死の思いで「脱出」した。ぎりぎりの状態の中、乗客同士で助け合う姿もみられた。
事件が発生して電車内に火の手が上がると、乗客は一斉に先頭車両に押し寄せた。おしくらまんじゅうのような状態になり「もっと奥に行けないのか」と不満をもらす乗客もいた。
その後、乗客の手で電車の窓が開き、乗客が車外に飛び降りていった。会社役員の男性(24)は線路側の窓から電車の外に出た後、ホーム側に回って、窓から降りようとする女性らを次々と抱きかかえた。
アルバイトの女性(21)は窓から逃げようとした際、高齢男性が同じように窓を乗り越えようとしている姿を目撃。女性は「泣きそうなくらい怖い」状態だったが、まず男性の元に駆け寄り、荷物を持ちながら男性が脱出するのを助けたという。
ミュージシャンの男性(34)は「『逃げろ』という声で一斉に逃げた。チームワークでやらなければと思い、意思疎通を図りながら逃げた」と振り返った。
京王電鉄によると、非常通報装置が作動したことで運転士は国領駅手前でブレーキをかけたが、止まったのは同駅の通常の停止位置の約1メートル手前だった。調整のため前進しようとしたが、乗客が非常用ドアコックを使用しており、システム上、前に進むことができなかった。現場は勾配が急で、電車はさらに1メートル後退したという。
通常の停止位置と計約2メートルのずれが生じたことから、乗務員らは乗客の線路への転落を防止するため、車両のドアやホームドアを開けない判断をしたという。その結果、乗客らは身をよじって窓から車外に飛び降り、ホームドアを乗り越えて脱出を図るなど、車内は混乱した。【斎川瞳、林田奈々、松尾知典、木原真希】
特急車内の凶行、助け合い脱出 乗客は窓からホームに 京王線刺傷 - goo.ne.jp
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