ユーロ圏のインフレは2023年に急減速し欧州中央銀行(ECB)の目標を下回ると、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会が予測した。現在の物価上昇を招いているエネルギー高騰とサプライチェーン問題が落ち着くとみている。
欧州委は21、22両年のインフレ率予想をそれぞれ2.4%と2.2%に上方修正する一方で、23年の平均インフレ率は1.4%と予想した。ECBの目標は2%。エネルギー価格は数カ月内にピークを付け、労働市場の余剰能力により賃金の伸びは引き続き抑えられるとの見通しを示した。
欧州委は11日の発表で、「現在の物価上昇圧力は大きな部分が新型コロナウイルス禍後の経済再開とそれに続く調整に関連しているため、総じて一時的なものだと依然、想定される」と説明。
「供給の制約がより長期化し、生産性を上回る賃金上昇が消費者物価に転嫁されれば、インフレ率が予測より高くなる可能性がある」と付け加えた。
欧州委はユーロ圏の経済成長率については21年が5%、22年が4.3%、23年が2.4%と予測した。前回見通しから21年については0.2ポイント上方修正し、22年は0.2ポイント下方修正した。
インフレ以外の回復への脅威として、欧州委は新型コロナ感染の再拡大と製造業の足かせとなるサプライチェーンの目詰まりを挙げた。
ジェンティローニ欧州委員(経済担当)は報告書で、「欧州経済は回復から拡大へと移行しつつあるが現時点で幾つかの逆風に直面している。警戒を怠らず、これらの逆風が回復を頓挫させないよう必要に応じて行動しなければならない」とコメントした。
原題: EU Sees Euro-Area Inflation Below the ECB’s Target in 2023 (1)(抜粋)
ユーロ圏インフレ、23年に急減速しECB目標下回る-欧州委見通し - ブルームバーグ
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