【NQNニューヨーク=戸部実華】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日ぶりに反落し、前日比50銭円安・ドル高の1ドル=114円00~10銭で取引を終えた。朝方発表の9月の米個人消費支出(PCE)物価指数を受け、インフレ圧力の高まりが意識された。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化に動きやすくなるとの見方から円売り・ドル買いが優勢になった。前日にユーロに対して大幅に下げたドルが対ユーロで持ち直し、対円でのドル買いにつながった面もあった。
9月の米PCE物価指数は前年同月比4.4%上昇し、伸び率は8月(4.2%)から加速した。市場では「FRBは来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派色を強めそうだ」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との声が聞かれた。FRBは来週のFOMCでテーパリング(量的緩和の縮小)の開始を決定する見通し。高水準のインフレが続けば早期の利上げに踏み切る可能性が意識された。
ドルはユーロに対して大幅に上昇し、対円でのドル買いに波及した面もあった。28日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の記者会見でラガルド総裁がインフレへの警戒を強め、ECBの利上げ前倒しを意識して同日はユーロ買い・ドル売りが強まった。だが、29日は米PCE物価指数の発表を受け、ECBは米国より金融緩和を長く維持するとの観測が改めて強まり、ドルを買い直す動きが広がったようだ。
月末のドル需要もあり、持ち高調整の円売り・ドル買いも入りやすかった。29日の米株式市場で主要3株価指数はそろって過去最高値を更新した。投資家のリスク選好姿勢も低リスク通貨とされる円の重荷となった。
円の安値は114円09銭、高値は113円72銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比90銭円高・ユーロ安の1ユーロ=131円75~85銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反落し、前日比0.0120ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.1555~65ドルで取引を終えた。ユーロは前日に大幅に上昇した反動もあり、米PCE物価指数や米金融緩和の縮小観測を受けたユーロ売り・ドル買いが勢いづいた。
ユーロの安値は1.1535ドル、高値は1.1648ドルだった。
NY円、反落 1ドル=114円00~10銭 米金融政策の正常化観測強まり円売り - 日本経済新聞
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