米国の雇用者数は6月に伸びが加速し、10カ月ぶりの大幅増加となった。経済活動の広がりに合わせた企業の人材確保が一段と進みつつあることが示唆された。
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失業率上昇の背景には、自主的に離職する人や職探しをする人が増えたことがある。
労働参加率は61.6%で、前月から変わらず。新型コロナウイルス禍前の水準を依然大きく下回っている。
求人情報サイト、インディードのエコノミスト、ニック・バンカー氏は「状況は上向きつつある」と指摘。「労働供給は一部雇用主の期待に見合うほどではないかもしれないが、雇用の伸び率は高くなっている」と述べた。
雇用主は堅調さを増しつつある経済にペースを合わせようと努めており、労働需要は力強い状況が続いている。事業活動および社会活動への制限措置解除、ワクチン接種の進展、政府の経済対策が景気回復を後押ししている。
一方で労働供給は抑制されており、引き続き雇用主を悩ませている。コロナを巡る懸念や育児問題、失業保険の上乗せ給付などが、求人件数を過去最高に押し上げている要因になっているとみられる。
6月の平均時給は前月比0.3%増。娯楽・ホスピタリティー業界の非管理職の平均時給は同2.3%増えた。
コロナ禍からの回復に時間がかかっている同業界の雇用は34万3000人増。
政府機関の雇用も18万8000人増となり、全体の伸びに寄与した。州・地方政府の教育関連雇用は約23万人増。
雇用は比較的広範にわたり、ビジネスサービスなどでも増加した。一方、建設業は3カ月連続で減少。製造業の雇用は予想を下回る伸びにとどまった。
米雇用者数はコロナ禍前の水準をなお676万人下回っており、労働市場の完全回復には程遠いことが浮き彫りになった。
詳細:
- 週平均労働時間は34.7時間に減少(前月34.8時間)
- 27週間以上職に就いていない長期失業者の数は昨年11月以来の大幅増
- 「U6」と呼ばれる不完全雇用率は9.8%に低下。U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいと考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる
統計の詳細は表をご覧ください。
原題: U.S. Jobs Jump by Most in 10 Months as Economy Gains Steam(抜粋)
(統計の詳細やエコノミストのコメントを追加し、更新します)
米雇用者数85万人増、10カ月ぶり大幅な伸び-失業率5.9%に上昇 - ブルームバーグ
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