国際課税ルールの全面的な改正に向けて世界が大きな一歩を踏み出した。 130の国と地域は1日、最低法人税率の設定や、米フェイスブックやグーグルといった多国籍企業からの税収を分け合うルールを支持した。
何年も一進一退を繰り返し、経済協力開発機構(OECD)での交渉を通じてまとまった大枠合意は、来週ベネチアで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での原則合意へと道筋をつけた。
法人税の実効税率を「15%以上」に設定することで多国籍企業の税逃れを防ぎ、経済規模の小さい国は外国企業からの税収をより多く見込めるようになる新たな国際課税ルールは、早ければ2023年にも発効する可能性が出てきた。
OECDは1日の発表文で、「少数の」国がまだ参加していないと指摘。これにはハンガリーや、低税率で世界の大企業の一部を引き付けてきたアイルランドが含まれる。
OECDによると、方針が不透明だったインドや 中国、トルコなども 条件を受け入れた。技術的な詳細から途上国へのさらなる譲歩が行われる余地も残る。
応分の負担
イエレン米財務長官は1日、「経済外交にとって歴史的な日だ」と歓迎。インフラや教育などのニーズに応えるのに必要な税収を奪ってきた法人税率の「底辺への競争」が終わりに向けて一歩進んだと発表文でコメントした。
同長官はさらに、「米国では、今回の合意が企業の応分の負担を確実にする」と説明。「米労働者と企業が世界経済で競争し勝利することを可能にする世界と国内の税制を構築する機会だ」とした。
ただ、アイルランドとハンガリーの不在は、欧州連合(EU)による計画の実行を難しくする恐れがある。アイルランドのドノフー財務相は先月、最低税率に関する合意は「小国と大国、先進国と途上国」のニーズを満たさなければならないと指摘した。
フランスのルメール経済・財務・復興相はG20会議までの1週間で、参加を渋っている欧州の国の説得に向けた努力を一層強める考えを示した。
原題: Global Tax Overhaul Endorsed by 130 Nations as Deal Gets Closer(抜粋)
(米財務長官のコメントなどを追加して更新します)
法人税率「15%以上」、世界130カ国が支持-G20原則合意に近づく - ブルームバーグ
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