消費者への裏切り、外部調査は責任指弾 関電歴代幹部不起訴 - 毎日新聞 - 毎日新聞

第三者委員会の調査で報酬補塡問題も発覚。報告書を公表し、記者会見で頭を下げる関西電力の岩根茂樹前社長（手前）と森本孝社長＝大阪市北区で2020年3月14日、木葉健二撮影

　関西電力の歴代幹部を巡る一連の問題で、大阪地検特捜部は9日、告発された八木誠前会長（72）ら9人全員の不起訴を発表した。電気利用者を裏切り、原発事業への信頼をも揺るがした問題の表面化から2年。関電の外部調査は元役員らの責任を厳しく指弾していたが、地検は刑事責任を問えないとの結論を出した。

　「市民が納得できるよう捜査を尽くすことを求める」。4月下旬、問題を告発していた市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」は地検に対し、家宅捜索などを含む徹底捜査を求める申し入れ書を提出した。直前に、検察が八木前会長らの立件を見送る方向で協議していると報じられていた。地検の不起訴処分を受け、市民団体は近く検察審査会（検審）に不服を申し立てる方針だ。

　市民団体が「世間を裏切る行為で、一連の不祥事の中で悪質性が高い」としたのが、役員報酬の補塡（ほてん）問題だ。東日本大震災に伴う原発の運転停止の影響で経営が悪化し、2013年以降に2度の電気料金値上げに踏み切った関電。経営陣は役員らの報酬をカットし、負担増を迫られた消費者に理解を求めたが、その裏側で総額約2億6000万円に上る補塡を決めた。

　この問題を調査した関電のコンプライアンス委員会によると、当時会長…

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