連載「探られた裏アカ 就活の深層」①
東京・飯田橋の雑居ビルの一室。3人が黙々とパソコン画面に向かう。
手元には1通のエントリーシートがある。
金融会社へ転職を希望する20代女性のもの。女性が匿名で投稿しているSNSのアカウントを見つけ出し、隅々まで内容を調べる。
すぐに副業をしていることが発覚した。現在の勤務先は副業を禁じている。「問題あり」とする報告書が作られた。
同じ会社に入社希望の20代男性についても調べる。
「コロナに効く」とする健康商品の広告を自らのSNSに転載し、拡散させていた。この商品は、宣伝文句に根拠がない恐れがあるとして、消費者庁が注意を呼びかけていた。
「真面目そうな履歴書からは想像できない顔だ」。1人が言った。
3人は「企業調査センター」(東京都千代田区)の調査員だ。
「裏アカ」調査の法的・倫理的問題点は? 識者・専門家の見方
就職希望者が匿名で使っているSNSの「裏アカウント」を探り出し、投稿内容を調べて採用活動中の企業に報告する――。そんな業者の存在が明らかになりました。どんな方法で「裏アカ」を特定するのか。企業はなぜ、そのような情報を求めるのか。日常的に複数のSNSアカウントを使いこなす若い世代は、それをどう受け止めているのか。この連載では、そうした現在の採用活動の実態に迫ります。法的、倫理的な問題についても、個人情報や人権問題に詳しい識者の見方を紹介します。
「隠していても、ヒントはたくさん」
同社は、採用活動中の企業から依頼を受け、就職活動中の学生らが実名でなく匿名でSNSに投稿をする「裏アカウント」などを特定し、その内容について企業に報告する業務をしている。
もとは探偵業者。尾行や男女…
就活生の裏アカ特定、企業に報告…ネットから見える「ホントの姿」 - 朝日新聞デジタル
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