特殊詐欺被害を防ぐイラスト動画を制作し、神奈川県民の防犯意識を向上させたとして、神奈川県警南署は、お笑いタレントの鉄拳さんに感謝状を贈った。先月25日に動画投稿サイト「ユーチューブ」の鉄拳さんの公式チャンネルで公開されて2週間あまりで再生回数が1万回を超え、「親に電話しようと思った」「感動した」など反響が寄せられている。(日下翔己)
動画は約4分でタイトルは「守るべきもの」。南署の依頼で、歌手グループ「ケツメイシ」の音楽に合わせ、離れて暮らす親子が、母が特殊詐欺被害に遭ったことをきっかけに家族の絆を見直し、日頃から連絡を取り合うようにする姿をイラストで描いた。
先月25日の贈呈式で鉄拳さんは「この動画をきっかけに親に電話してほしい。被害の防止につながれば」と話した。作品に自分の人生をよく取り入れるといい、今回も20歳の時に詐欺で80万円をだまし取られた経験を踏まえた。「後悔と怒りを感じた。留守番電話があったら被害に遭わなかったかも」と思い、被害に遭った悔しさと怒りを、息子の表情と拳に込めたという。
元々は漫画家志望だった鉄拳さんは、お笑いタレントとしてスケッチブックに描いたイラストを見せながらのトークで一躍人気に。限界を感じていた2011年、ある企画でパラパラ漫画を披露し、注目された。
今では漫画の仕事の方が多く、「(トークの)ネタは1日で20枚ほど描けばいいが、パラパラ漫画は1000枚は必要で2か月はかかる。大変だが漫画家として仕事ができてうれしい。感動ものだけでなくギャグとかホラーとか、新鮮で楽しい作品を作りたい」と語る。
13年には、後悔をテーマに夫婦の生涯を描いた漫画「振り子」で日本漫画家協会賞特別賞を受賞。社会問題にも積極的に取り組み、全国の自治体や警察から防犯や事故防止などの啓発動画の制作依頼が舞い込む。
鉄拳さんは「作品に込めた思いが少しでも伝わったらうれしい。感動するだけでなく、行動に移してもらえたら」とほほえんだ。
80万円だまし取られ鉄拳さん「後悔と怒り感じた」、特殊詐欺防ぐイラスト動画公開 - 読売新聞
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